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02.予備学科の正しい躾け方 失敗例
俺は落ち着かないまま、コテージにあるベッドの縁に腰掛けていた。時刻は夜だ。夕食を食べ終わり、もう程なく就寝しようという時間。ブラインドの外にある月明かりをチラリと見た後、俺は壁に掛かっている時計を確認する。そろそろか…。約束の時間まで3分もない。俺なんかの呼び出しに応じるか分からなかったが、そこは運かな。
「ふぅ…」
俺は呼び出した相手―――狛枝 凪斗のことを頭に思い浮かべた。
類い稀な美貌を持つ彼は、修学旅行に参加している女子と張り合えるほどの性的魅力を有していた。眉目秀麗な顔立ちには文句のつけようがなく、艶麗さが漂う儚げな色気は俺の心を鷲掴みにした。そして何よりも…、嘲笑うかのように見下げられた灰色の瞳に、俺の体はゾクゾクと疼く。それを抑えようと、俺は自身を掻き抱いた。その時だ、コテージの外から足音が聞こえたのは。
そして間を置かず、コテージのドアがキィと開かれた。鍵は澪田に壊されて、そのままになっているので、わざわざインターフォンを押す必要もない。律義な人間なら鳴らすかもしれないが、予備学科として最低の位置にいる俺に対し、彼がそうするとは思えなかった。
「やぁ、来てあげたよ」
メンドくさそうに片手を上げたドアの向こう側の人物は、予想通り…狛枝だった。

深緑色のコートを纏った狛枝はいつも通り、目に侮蔑の光を宿らせている。ドッキリハウスに入るまでは、俺に対する視線も柔らかく慈しみも籠っていたのにな…と俺はぼんやり考えた。その時の狛枝には目を惹くだけで、明らかな性的欲求なんて湧かなかったのに、今じゃその理性もボロボロと崩れ去っている。
「それで、何の用かな? こんな時間に…」
「…狛枝、ありがとな。来てくれないかと思ってた」
「キミのような予備学科が、超高校級であるボクを呼び出すなんて…頭が高いよ」
「分かってる。本当にごめんな」
ここで臍を曲げられたら困る。俺は彼をどうにかして説得しなければならない。さもなくば…。ふと黒い感情が顔を覗かせ、俺はポケットの中の物に手を忍ばせる。いや、良く考えろ…日向 創! 狛枝は男だ…。男、男、男! そのラインを超えたら、さすがに不味い。だけど俺の心の内を知ってか知らずか、狛枝は清艶な表情で俺を見ている。
「日向クン?」
「す、すまない…」
終始不機嫌そうな狛枝をソファに腰掛けるように促したが、彼は首を縦に振らなかった。
「さっさと用件だけ話して終わらせてくれないかな。ボクはこう見えて忙しいんだ」
「………。えっと…、その、裏切り者って名乗り出てきたか?」
「は? 裏切り者が分かったとして、ボクがキミにそれを話すと思う? 下らないことに付き合う義理はないね。それじゃ」
「あっ、狛枝…。待ってくれ!」
立ち去ろうとする彼の右手を咄嗟に掴んだ。すると彼は不愉快なのか、俺の手を乱暴に振り払う。
「ボクの許可もないのに、勝手に触らないで…」
「…お前に触るのに、許可が必要なのかよ。初めて聞いたぞ」
「っキミは…予備学科としての振る舞いがまだ出来ていないようだね。そういえば、今日も七海さんと一緒に並んで歩いてたっけ? ボクが前にあれほど言ったこと、全部忘れてしまったのかい?」
「……ああ、何だったかな」
「………」
俺がわざと首を傾げて見せると、狛枝は面白いくらいに眉を吊り上げた。険しい表情の狛枝を俺は冷静に見ている。彼が何を怒っているのか分かった上で、俺は挑発しているのだ。美人は怒っても美人だな。桜色の薄い唇が怒りで僅かに震えている。ああ、今すぐにでもキスがしたい…。
「…キミに知性を求めたことが、ボクの間違いだったのかな」
「あっそ。そりゃ悪かったな…」
「そうやって、惚ければ済むとでも思ってるの?」
狛枝は怒りを寸での所で押し留め、平静を装っているが、俺が挑発した所為で激昂しているのはすぐに分かった。俺が予備学科という許されない存在だからか、いつもの余裕さがまるでない。ここまで素直に感情を表現している狛枝を見るのは、多分初めてだ。普段からいつもニコニコしてて、何を考えているか良く分からないから、大人びているんだと勝手に思ってたけど、俺の予想よりも普通の高校生男子なのかもしれない。まぁ、最初の学級裁判の変貌は忘れようにも忘れられないけどな。
黙ったままの俺に、狛枝は小さく嘆息して冷めた口調で告げてきた。
「予備学科なんて、希望の踏み台にすらなれないんだよ。良く考えてよ、そんな存在が超高校級の才能を持つみんなと…」
「狛枝。俺にそんなこと言うよりも、他の5人に話したら良いんじゃないか? 『予備学科とは関わらないでくれ』って。普通に考えれば、それが筋ってもんだ」
「!? …そんなの、ボクがみんなに強要する訳にもいかないじゃないか」
「だったらあいつらの勝手だろ? 予備学科と話をするのも、デートするのもな」
「………っ」
狛枝は絶句した。俺がここまで露骨に反発するとは思ってもみなかったらしい。俺の言ってることは正論、だと思う。だから狛枝は反論出来ずにいる。そんなのは最初から分かり切ってたことだけど。
一応、俺にも負い目がある。予備学科だなんて、不自然なパーツが組み込まれたこの修学旅行。裏切り者の件と併せて、それはみんなの不信感を大きくさせている。望んでこの修学旅行に参加した訳じゃないけど、俺の存在は狛枝を含めたみんなのストレスになっている。だから理不尽だと思っても、耐えていた部分はあった。でもそんなものはもう、どうでもいい。俺は頭にきてるんだ。言葉が出てこない狛枝に、俺は勢いに任せて畳みかけた。
「予備学科、予備学科っていちいちうるさいんだよ、お前は!! …だから、何だよ。それが今重要なのか? みんなで生き残って、ここを出ることとどっちが大事なんだ!?」
「あはっ! 予備学科のクセに偉そうに…。それに何? 生きてここを無事に出るだなんて、笑わせないでくれるかな。死ぬんだよっ、キミもボクも!!」
狂気的な笑みに顔を引き攣らせ、狛枝は大声で捲し立てた。彼の言っていることは意味不明だった。自分も死ぬという犯人らしからぬ言動が引っ掛かったが、気持ちが波立っている俺には気に留めるゆとりすらない。
「裏切り者を炙り出すだなんて、バカな真似は止めろ! 7人全員で力を合わせて、島を出るんだ! 俺は…、誰かが死ぬのはもうたくさんなんだ…。お前にだって、死んでほしくない…っ!」
「……キミには一生分からないね。今やらなければ、後々後悔するのは目に見えてるんだ。予備学科に説得されてもボクの考えは変わらない」
「狛枝っ! どうしたら、分かってくれるんだよ…!」
「分かりたくもないよ、キミ達のことなんか…。第一、理解した所で無意味でしょ」
素っ気ない狛枝の言葉に、俺はカチンときた。堪忍袋の緒が、…切れた。反射的に狛枝の無防備な左手を掴む。「ちょ、何するの…?」と血相を変える狛枝を無視して、彼をコテージのベッドへ乱暴に押し倒した。
「ひなっ、…わぁ!?」
俺は狛枝の上に乗り上げて、Tシャツを掴んだ。綿で出来ているのだろうその布地を、思いっ切り力を込めて引っ張る。表に描かれている赤い模様が横方向に歪んだ。
「ああっ、やだっ! やぁあああっ!!」
悲痛な狛枝の絶叫と共に、それはビビーッと裂けるように引き千切られた。
「…日向クン! 予備学科風情がこんな真似をして、良いと思ってるの!?」
狛枝が怒鳴り散らしている。だけど彼の格好は滑稽そのものだった。見るも無残にTシャツを引き裂かれ、その下の白い裸体が丸見えなのだ。あばらの浮いたガリガリの体にはあまり食指が動かなかったが、胸にある2つの飾りは鮮やかな桃色をしていて、その淫猥さに俺は体の内側からカッと熱が生まれてくるのを感じた。
「さっさとどいて、離してくれるかい…!?」
狛枝は烈火のごとく怒り狂っている。でもそんな状態で強がっても、全然怖くない。俺が言うことを聞くとでも思っているのだろうか。
「良い格好だな…、狛枝」
「何言って……、っ!? あ…っ」
俺の指摘に、狛枝は慌てたように自分の姿を視界に入れる。そして言葉を失った。Tシャツは俺が破ったから、前はもちろん肌蹴ている。胸元から腹まで全て見えていて、美味しそうな乳首がツンと尖っていた。両足はカエルのように開脚して無防備だ。犯される側の体勢ということを理解した彼は、怒りのあまり顔を真っ青にする。
「嘘、でしょ? 日向クン、冗談は……。やだよ…、今なら何もなかったことにしてあげるからっ」
「冗談? ここまでしといて、それは済まされないだろ」
「っ!? んんーっ!」
「狛枝…、んっ」
コテージに姿を見せた時から、ずっとキスがしたかった。桜色の唇に俺のを合わせて、噛みつくように口付ける。狛枝は叫ぼうと必死だったが、それが俺の舌の侵入を容易くし、更にキスが深くなっていく。背ける顔を無理矢理こちらへ向けて、狛枝の唇の感触を楽しんでいると、歯が舌に当たるのを数回感じた。噛まれそうだと危惧した俺はやっと唇を離す。
「あうぅっ、さいあく…、予備学科に……、ゴミなんかに…キス、された……」
乱暴に唇を拭いながら、狛枝が灰色の瞳を潤ませる。それを見た俺は高揚感で胸がいっぱいになった。そうだ。やるなら、最後までやってしまえ。俺の中の悪魔が囁く。リミッターが振り切れる音が、どこかで聞こえた。
「!? …あああっ、ひなたクン、やぁんッあっあっちくび、いやっ…!」
曝け出されている狛枝の桃色の乳首にしゃぶりつく。ああ、狛枝の味だ。何だか甘い気がする…。ペロペロと舌で嬲るようにしていると、ぷっくりと中心が勃ってきた。時には突っつき、時には吸い上げ、時には軽く歯を立てて。狛枝の乳首を虐めてやる。
「ふぁっ、やぁ…かまない、でぇ、アンっあんッんん、あっあ、…やだぁああっ!」
「こまえだ…? 感じてるのか?」
「かんじて、な、いぃ…。ひぅうっあぁんッ、うう、ンッあんっやぁんんッアん…っ」
ビクビクと体を痙攣させつつ、狛枝は鼻にかかったような甘い声でアンアン喘いでいた。可愛い…。ああ、蕩けそうな表情だ。気持ち良いんだな。少しは素直になって、俺に身を預けてくれるかも。そう思い、顔を上げてふっと狛枝に微笑みかけるが、涙目で睨まれてしまう。正直な体とは裏腹に、唇から出てくるのは抗議の言葉だった。
「ぅ…絶対に、許さない! …報いだ。キミには必ず不運が訪れるよ…」
「ははっ、何だよ。そんなものに頼らないとダメなのか、お前。もしかして、予備学科以下なんじゃないのか」
「くっ…!」
狛枝は苦悶の表情を浮かべる。さて乳首も存分に味わったから、次に行こうかな。俺はポケットの中身を確かめるように外から擦った。

逃げようとバタバタ暴れる狛枝だったが、下半身には俺が圧し掛かっているから動けないようだ。腕の力も見た目通り、非力で俺を突き飛ばすことさえ出来ない。俺は狛枝の両腕を一纏めにして押さえ付け、ポケットに忍ばせていた手錠で動けないように拘束する。そして何とか狛枝のベルトを引き抜くと、ズボンを寛げ、彼のペニスを中から取り出した。
「ひぅぅ…、お願い…。やだぁ、見ないでぇ…。へんたい、へんたい、へんたいぃ…」
「………」
狛枝は小さく涙声で呻いている。出てきた狛枝のペニスを、俺はしばらくじっと見つめてしまった。萎えているから分からないが、多分平均くらいの大きさだろう。狛枝の肌と同じく色素は薄い。あまり使ったことがないのか、どす黒くはなかった。ただ先端のカリ部分は濃いピンク色で、何だかそれがものすごく卑猥に見えた。こいつは体の隅々まで厭らしいんだななどと、俺は妙に納得してしまう。無意識にその先端を指で触った。縮こまっているそれはふにふにとしていて、結構手触りが良い。
「や、日向、クン…? 何、考えてるの!? やめてよっ、気持ち悪い、離して!」
「何言ってるんだよ、狛枝。お前、俺に何したか分かってるのか?」
「あれは…、キミが立場を弁えないからやったことだよ。貶される筋合いなんてないさ」
「人が嫌がることを自分がやっても許されるのに、自分が嫌がることをされるのは許さないのか? …ふざけるなよ、狛枝!」
自分勝手な狛枝の物言いに、俺は怒りに駆られる。何を言っても聞き入れないなら、体に教えるしかない。俺は狛枝が逃げないように腹部分に体をずらし、後ろ手で彼のズボンを引っ張り上げる。だけど足をバタつかせている所為で、上手く脱がせられない。
「えっ!? 何…、なにすんの……やだよ、日向クン、やだやだぁ、やめて…っさわらないでぇ…!」
「狛枝、暴れるなよ」
「日向クン、……あ、やめてよ、いやっ、いやぁああっ!」
頭を振り乱して、いやいやをする狛枝。涙を滲ませて足掻く狛枝は堪らなくそそるが、ズボンを穿いたままなのは困る。足も拘束したかったが、生憎手錠は1つしか用意出来なかったのだ。致し方ない…。あまりこの方法は使いたくなかったんだけどな。俺は1度溜息を吐いて、肩をぐるぐると回し、筋肉を解す。やがてそのほっそりとした白い喉仏に手を這わせると、グッと力を込めた。
「あぐっ…あああ、がはっ…、あ…」
あまり長い間締めてしまうと狛枝が死んでしまう。自分自身に試したのと同じくらいの力加減を思い出しながら指を食いこませ、俺は力が抜けた足から素早くズボンを抜き取った。そしてすぐに狛枝の喉に掛けていた手を離す。
「げほっがふっ、はぁっ、はっ……あぅ……、ひぁた…、クン」
大きく咳き込んだ後に深呼吸する狛枝を確認して、俺はホッと息を吐いた。ズボンをその辺に放り投げ、狛枝の腹の上からどいた。ぜぇぜぇと呼吸を整えている狛枝は俺がどいたことに、意識が回っていないようだ。チェック柄のボクサーパンツを手に掛け、だらんとしている足を通して脱がせる。待ちに待った狛枝の裸身に、俺のペニスは悦んでいるかのようにビクビクと跳ねた。
「うぁあ……、やらぁ…もう、やめてぇ…助けて、ひなたクゥン…」
「怖くないよ、狛枝…。舐めるだけだから」
俺は床に跪いて、狛枝の両足を抱え上げた。目の前にはフニャフニャの狛枝のペニスがある。早く、早く…! 口に溜まった涎を飲み込むこともままならず、俺はパクリとそれに食らいついた。
「ああっ、あっあ、んんッ! はぁぁああん…!」
「んん、んッ……、はぁはぁ…! どうだ? 狛枝…」
冷静沈着なあの狛枝が顔を赤らめて、女のように喘いでいる。ピクピクと内股が痙攣しているのを優しく擦りながら、俺は喉の奥深くまで狛枝のペニスを頬張った。口の中のそれはやがて硬度を増し、段々と大きくなっていく。
「や、やめてよ…っ、舐めないでぇ……やぁ、よびがっか、なんかに…ああンッ! んはぁっ」
嫌がる言葉とは裏腹にペニスはどんどん形を変えていく。もう喉に突き刺さりそうなほど完全に勃起していた。根元にある薄い色の下生えが舌に纏わりついて邪魔だったが、狛枝を気持ち良くさせるためなら何て事はない。竿に横からかぶりつくように口に入れ、先端まで舐め上げる。乾いている部分がないように、余す所なく俺の唾液で濡らした。もちろん球も優しく指で触りながら、舌でゆっくりと舐めていく。
「おねが、ぃ…ああっうぁあああっ、日向クン…ひなたクン…っ! した、いやぁ…」
力なく嬌声を上げる狛枝。ああ、もっと敏感な部分も可愛がってやらないと。俺は少しだけ背筋を伸ばす。狛枝のペニスの先端をペロリと舐めた。ひくついている鈴口を舌でノックしてやると、とろりとした先走りが滲んでくる。狛枝のだ…。彼が俺で気持ち良くなったという証。量が多くないそれは口に含むと、唾液に混ざって味が無くなってしまう。もっと、もっと欲しい…。その俺の望みを叶えるかのように、狛枝のペニスからは止め処なく先走りが流れてくる。
「はぁ、ハァ、…狛枝。まだまだ、終わらないぞ…」
「も、もぅ…ゆるしてよ…。さいていだ…。ボク、たえられない…ッ」
「……俺が止めてくれって言った時、お前は止めてくれなかったじゃないか」
「そんなの知らない! ねぇ、早くコレ外してよ…。予備学科なんかに舐められて、気持ち良くなるなんて…!!」
息も絶え絶えに狛枝が戦慄く。ポロポロと涙を零す様子は俺から見ても憐れに映るのに、蔑むような言葉遣いだけはそのままだ。涎と先走りで湿った狛枝のペニスを俺が手で擦ってやると、狛枝はぎゅっと目を瞑って、「やめてぇ…」と悄然と呟いた。

少しくらい体を離しても大丈夫そうだ。そう判断した俺はベッドにある枕を手に取った。それから枕の下に隠してあったローションも。とりあえず枕を狛枝の腰の下に敷く。男同士がどうやってするかは、何となくの知識で知っていた。自然の摂理に反するようなことだから、何かしら工夫しないと結合は難しい。アナルが見えるような体勢に、狛枝は歯の根も合わないほど震えていた。
「ぜったい、やだっ、キミにされるなんて…、最低で最悪だよ…ッ!」
「何だ…、思ったより元気そうだな。文句が言えるんだったら余裕だろ」
あの狛枝が、俺の下で淫らな姿で泣いている。ここまで情欲を煽られる体験はしたことがない。口では嫌がってるクセに、その顔は快楽にトロトロに蕩けていて、物欲しそうに俺を求めているようにしか見えない。奴にそれを伝えたら、「キミが勝手にそう思ってるだけだよ」と言うかもしれないが、それは明らかな嘘だ。だって狛枝のペニスは気持ち良さそうに先端から蜜を零して、勃起したままなんだから。
赤ちゃんがおしめを替えるような体勢の狛枝に、俺はほくそ笑む。次はローションでアナルを解さないと…。チラリと下方に視線を走らせると、狛枝は体をビクッとさせた。窄まったそこはくすんだピンク色をしている。狛枝が体をひくつかせるのに合わせて、きゅっきゅと僅かに収縮していた。やっぱり誘ってるんだ…。その卑猥な動きに俺は一先ずローションをシーツの上に置いて、きゅっと硬く閉ざされている狛枝のアナルに舌を伸ばした。
「ひゃんっ! ぅああっ、…へん、変だよぉ…っきもちわるぃ…はぁああっ」
「んっ、狛枝…。大丈夫だから…ッ」
「だめぇ…、きたないよ、日向クン…ッやんっらめぇ…なめちゃ、や…っああッ」
「んちゅ…んんっ、ちゅるっチュ…」
「……ひなたクンの、舌がぁ…ボクのおしりぃ、あんッ、ぬるぬるしないでぇ…っ!」
襞をなぞるように丁寧に丁寧に舐めていく。そこは異物の侵入を拒絶するかのようにぴっちりと閉ざされていた。片手でペニスの鈴口をゆるゆると撫でると、じわりと先走りが溢れてくる。きゅんきゅんと激しく収縮を繰り返すアナルを、唾液を含ませた舌でベロベロとひたすらに舐める。狛枝はひんひんと切なく喘いだ。
さすがに舌だけじゃ解れないようで、先端だけちょっと入ったくらいだ。でもしばらく舐めた甲斐はあったようで、襞周辺の肉は少し柔らかくなった。放置していたローションを手に取り、とろりと中身を狛枝のアナルに零すと、「冷たいっ」という悲痛な叫びが上がる。
「ごめん、狛枝…。冷たかったのか」
「……ひっく、う…っ、きらいだ…ひなたクンなんて、きらいぃ…」
狛枝は俺と視線を合わせようとしない。うわ言のように「きらい、きらい…」とだけ繰り返している。だけど、俺の指がアナルへと触れると、その呟きも引き攣りと共に消えてしまった。
「ひぅっ、な、なに…!? 日向、クン…。ボクの…んぁっ! ひぐ…っ」
「…指、挿れるぞ」
つぷりと中指を狛枝のアナルの中へ侵入させる。思ったよりもスムーズに入って、ホッとした。ぬぷぬぷと指の根元まで出し入れしつつ、もう片方の手で狛枝の体を安心させるように撫でる。「はぁぁあっ」と大きく吐息を零しながら、腰を浮かせて、狛枝は耐えるように目を閉じていた。時折長い睫毛を揺らしている。ずるずると余裕で指が入っていくのを確かめて、俺はもう1本指を増やした。バラバラに動かしていると、狛枝がそれに合わせて、腰を揺らしてくる。
「いたっ…いたいよぉ……きもちわるいぃ…はなして、はなしてぇ……!」
「どこが感じるんだよ。狛枝…。俺に教えてくれないか?」
「……はぁ…、かんじて、なんて…ないっ…ゆび、やだよぉ……! ぬいてぇ、ひぁたクゥン…」
「だぁめ」
舌ったらずな狛枝の口調に合わせて、俺も子供っぽく返事を返す。もう1本入りそうだ。ヌルヌルとした狛枝の肉壁が貪欲に俺に絡み付いてきている。くにくにと柔らかいそれを四方八方に押していると、狛枝が途端にビクンと大きく全身を痙攣させた。
「っ狛枝!?」
「ひゃあああんっ、いやぁ…そこいやぁ……も、やめて、日向クン、ゆるし、」
「…ここか?」
「きゃううううっ! ひにゃたクン、やだぁ、ボクもうやだよぉ…やぁああっ」
さめざめと狛枝が泣いている。でもここで止める訳にもいかない。見つけたんだ、狛枝の感じる場所を…。腹側のしこりをぐぐっと押してやると、彼は電撃に打たれたかのように体を仰け反らせた。もう充分にアナルは柔らかくなっている。もう、良いだろう。俺は指を引き抜いて、立ち上がった。突然奪われた快楽に、狛枝は哀切極まりない顔で俺を見る。
「日向…クン…?」
「………」
俺はズボンを寛げ、勃起した自分のペニスを出した。それを見た狛枝は「ひっ!」と小さく悲鳴を上げる。足蹴にしていたあの時とは状況が違うんだ。最早凶器とさえ呼べる、ドクドクと脈が浮き上がったそれ。狛枝の顔色は青を通り越して、真っ白になった。
「あ……あ…っ、そんな……っ」
灰色の瞳にぐるぐると螺旋を走らせる狛枝。俺を見ているようだが、その視線は揺らぎ、擦れ違ってしまう。額からは汗が大量に噴き出して、全身には鳥肌が立っていた。ギシリとベッドに膝を突いて、俺は狛枝の秘密の入り口にペニスの先端をそっと宛がう。狛枝は俺の熱に気付き、髪を振り乱して嫌がっているが、混乱しているのかすぐに声は出ないようだった。
「大丈夫だ。…狛枝。俺は…」
「…ぜ、ぜんぜん、大丈夫じゃないよ! 何考えてるの!? ボクもキミも男なのに…! やっ、いやだよっ絶対いや! やめてやめてやめてっ! 予備学科の汚いおちんちんなんか、入れられたくない…!!」
くちゅりと、水音がした。狛枝は息を飲む。
「!? っいやあああああああっ! やだっ、ボクの中に…日向クンの、おちんちんがぁ…ッ!」
「はぁ…、すごいぞ。狛枝の中、…熱い。焦げそう、だ…。ん、あ…はぁ…」
「やだやだやだぁ! やめてぇ、ぬいてっ、よびがっかに、ボクのおしり汚されちゃうぅ…!!」
めりめりと俺のペニスが狛枝のアナルへと沈んでいく。指を入れた時は結構広がったと思っていたけど、ペニスに比べたらそうでもなかったようだ。亀頭が閉ざされた肉壁をこじ開けるように進んでいく。もう力任せだった。締め上げられズキズキと痛むペニスを奥へ奥へと進ませる。ペニスの半分くらいまで入った所で、狛枝は苦しそうに息を吐いた。
「ぎっひいぃぃ…っうぁ、うううッ…ううううぅ…!!」
「く…、キツいって、狛枝。もうちょっと力抜いてくれよ」
「無理ぃ…。予備学科なんかに、命令される筋合い…ない、よ…! さいてい、最低だ…! 絶対に、絶対に…許さない…。キミは必ず…不幸になるんだ……! ボクが…っ、ああっあっあんッ」
「またそれかよ。ああ…才能以外に頼るもんないんだっけ、お前」
俺の言葉に、狛枝は火がついたように睨んでくる。だけど快楽に染まった厭らしい顔だから、狛枝の中に埋まった俺自身が膨らむだけだった。圧倒的な征服感…。快楽とは別のそれに、俺は背筋が逆立ってしまう。ゆっくりと入り口付近で前後させていた腰を、更に奥へと進ませる。狭苦しい狛枝のアナルがまたみしみしと軋んだ。
「うぐっ…くううううっ! いたぁい…! 痛いよ、痛い痛いぃいいッ! やめて、…そんな…おぞましいもの…ボクの中に…入れないでぇ…!」
綺麗な瞳からは透明な涙がいくつもいくつも零れ落ちた。上方にずり上がって逃げようとする狛枝の腰を掴み、俺はペニスを更にめり込ませる。そして一気にアナルの奥までそれは到達した。
「ひあっ! やああああああんッ! いやぁやめてぇ…、汚い、汚いよぉ、よびがっかの…」
「んく…、全部、入ったぞ。狛枝……」
「うそっ…信じられない…! ボクのおしりにキミの浅ましい欲望が、入ってるって言うの?」
「そうだよ。そこから見えるだろ? 俺のチンコがお前の中に入っているのを…」
狛枝の背中に手を回し、起き上がらせてやる。ローションと互いの体液に塗れた狛枝の厭らしい穴が限界まで開いて、俺を受け入れている。それを見た狛枝は衝撃的過ぎたのか、口をぱくぱくと金魚のように動かしていた。
「…狛枝? ほら、ちゃんと入ってるだろ? お前の中に、俺のが全部…」
「………っ、うぁあああっ! ひどい…ひどいひどいひどいよッ! 日向クン! 予備学科の汚染されたおちんちんを、超高校級であるボクに入れるだなんて…! 気持ち悪いぃ! 今すぐ抜いてくれ!!」
「汚染されたって、お前な…。ちゃんとシャワー浴びて、擦り切れるくらいに洗ったんだぞ」
「うるさいうるさい! 予備学科のクセに言い訳しないで。汚いものは汚いんだッ。ボクに踏まれて悦ぶような変態のおちんちんを受け入れてるなんて、悪夢以外の何物でもないよ…!」
「ははっ…。いやー…、そこは否定出来ないけどな」
半笑いの俺に狛枝が手錠の付いた両腕で振り被ってくるが、弱々しいそれに叩かれても全然痛くない。背中から腕を外し、また彼をベッドに押し倒した。シーツにふわりとわたあめのような髪が広がる。
「どうだよ、お前がバカにしていた予備学科に犯される気分は…。これでもまだ俺を下に見るのか?」
「当たり前でしょ! キミはどうしようもない予備学科なんだから。他の超高校級の才能を持つみんなの迷惑にならないように小さくなってないといけないんだ…。相手をしてあげるのはボクくらいだよ」
「………」
本当に頑固だな。でもその方が虐め甲斐があるってもんだ。俺はシニカルな黒い笑みを浮かべ、狛枝へとペニスを突き立てた。ぎゅちゅっ! じゅぶぶぶっ、じゅぶ、ずぶっ! じゅぶぅ…ずぼっずぼっ…! 2人きりのコテージに欲望だらけの水音が鳴り響く。
「んっぎぃいいっ! 痛っ! ひ、くううっんぐっ…ひぁああっ!!」
狛枝の引き攣った悲鳴をBGMに、俺はそのアナルを乱暴に犯した。ぐじゅぐじゅと突き上げてやれば、ペニスに纏わりつく生温かい肉壁が俺を逃がすまいと絡みついてくる。相手のことを無視した、寧ろ痛めつけることを目的としていると言ってもいいその行為に、狛枝はしゃくり上げながら涙を零す。
「この…っ、薄汚い下劣な予備学科! 下半身だけで考えているのかい? こんな醜いものをボクの…同じ男のおしりに入れるだなんて、…頭がおかしいよ!」
アナルの痛みに気丈にも耐えているようだ。噛みつくような剣幕で狛枝は怒鳴りつけてくる。
「もしキミをこのまま放っといたら、七海さんやソニアさんや終里さんが危なかったね…。あ、男にも手を出す趣味があるんだから九頭龍クンも左右田クンも危ないか。あっははっ! 予備学科は節操がないんだね! …あうっ! はぁああンッ!」
「黙れよ、狛枝…!」
貫通されながらも俺を非難していた狛枝だったが、最奥を亀頭でぐりぐりと擦ってやると、再び甘い喘ぎ声を漏らした。お前以外に手を出そうなんて考えてない。本当はそう主張したかったが、今言っても仕方のないことだ。
「予備学科のクズ! へんたい…! ボクがおちんちん踏んだら、だらしない顔で喘いでたのにぃ…!」
「はいはい。それはそれで良いけどさ。…あの時、お前だって悦んでたんだろ?」
「は? 何を根拠にそんなこと言い出すの? 2回も精液を吐き出したのはどこの誰だと、」
「俺が見てないとでも思ってたのかよ。俺のチンコ踏んでる時、お前も勃起してたじゃないか」
「っ!? そ、それは…」
言い淀んで、狛枝はわなわなと震えた。どうやら図星だったようだな。あんなに大きく膨らませてたんなら、誰だって分かる。
「…日向クンの記憶違いじゃないかな? 本当にボクが勃起してたかどうかなんて、…キミに分かるはずもない」
「セックスしてると、頭の回転鈍くなるんだな。あのな、俺達はモノクマに監視されてるんだぜ? 今だって多分見られてる。あの時の映像、持ってきてもらえるように頼もうか? おーい、モノク、」
「ダメだよっ! 呼ばないで!! いっ…ひぎっ、いあああっ、んあッはぁん…ッ」
俺の言葉を遮ったかと思えば、激しいピストンに狛枝は厭らしく身を捩らせる。耳触りの良い喘ぎ声と飲み切れなかったらしい涎が、止め処なく口から溢れていた。俺はガツガツと狛枝に腰を打ち付ける。最初よりも滑りが良くなってきている。
「言ってやる…、みんなに…! キミがボクにおちんちんを踏まれて悦ぶような、酷い性癖の持ち主だって、」
「どうぞご自由に。だけどその時はお前の本性も知れ渡るぞ。お前も変態なんだ。俺のチンコを踏ん付けて、勃起させていた超高校級の淫乱ってな」
「い、淫乱…? ボクが、淫乱…だって…!?」
その単語に反応し、狛枝の肉襞がざわめいて、更に俺のペニスに絡み付いてきた。
「だって感じてるんだろ? 俺のチンコに食いついて離れないんだぞ、お前のここ…」
「ふふっ、何をバカなことを…。ボクが、キミみたいな下劣な予備学科相手に…何を感じると言うのかな」
「こんなにビンビンに勃てといてまだ言うのか…。これが感じてなかったら、どうなんだよ!」
「こ、これは…キミに追い立てられたから、そうなっただけで」
「…本当にそうか? しりなんかに挿れられて感じるって普通ないと思うんだけどな」
「しつこいよっ、ボクが感じる訳…っあひぃんッひいぃぃ! アンっアんんっあんっ!」
狛枝が言葉を発するのも許さず、俺はガンガンに突きまくった。激しい腰使いに狛枝は柔らかな白髪を揺らし、淫らな嬌声を上げる。俺に罵倒されても感じてるってことは、やっぱりこいつSじゃなくてMなのか? …試してみるか。
「超高校級の幸運である狛枝が、予備学科のチンコ弄って悦ぶ変態だったとは恐れ入るな」
「あ、ぐぅ……ちがう…! それは違うよ…! 日向クン、の、けだものっ…うぁあっ!」
「違う? じゃあここにみんなを呼んで確かめてもらうか? 俺と狛枝、どっちが変態なのか…」
「いやああっ、やだ、いやだよっ、みんなの、前で…だなんてぇ…!」
悲痛な声をあげている狛枝。火のように熱い狛枝の秘部は、俺のペニスを甘く包み込み、うねうねと蠢いている。
「すごい、きもちいいよ…こまえだ。突き上げる度に、お前が強く締め付けて…。チンコを咥え込んでる」
じゅぶじゅぶとわざと結合部の音を大きくさせると、狛枝は耳まで真っ赤になった。ぐちゅぐちゅっ…じゅぽっぬちゃ…ぐちゃっじゅぼじゅぼ…。狛枝の両腕は手錠で繋がれているため、耳を塞ごうにもそれは叶わない。
「あ、うそだ……っ、ありえない…ありえないよ…! ボクは…、」
「嘘じゃないって。なぁ、狛枝…。俺思うんだけどさ、昨日のだってわざとなんだろ? 俺を怒らせて、レイプするように仕向けたかったんだろ? 違うか?」
「はぁ? 何を好き好んで、キミみたいな予備学科なんかに…。抜いてっ、ぬいてくれよ! どうして、うっ…はぁあああっ!」
思いっ切り突き上げてやると、また狛枝のペニスからは先走りがピッと飛んだ。締め付けがきつくなる。狛枝の体は俺に中出ししてほしいと言っているようだ。こっちもそろそろ限界だった。指で確かめた狛枝の感じる場所を集中的に狙って突く。
「ううっ、…出る……ッ射精する! 中に出すぞ、狛枝…。俺の精子を、お前の中に…」
「!? やだっ! それだけはやめてっ! 予備学科なんかの臭い精液出されたら、ボクの体が腐っちゃうよ!」
「ダメだ、もう…」
「やだやだやだぁ! 絶対やだ! お願いやめてぇ! いやあああああっ! やだよぉお! よびがっかの、おちんちんから、きたない、せいえき……! やあああ、中に、なかに出さないでえええ!!」
狛枝が絶叫するが、もちろん無視だ。悲痛な叫びとは裏腹に、狛枝のアナルはきゅうきゅうと締め付け、ペニスもピクピクと震えながら先走りで濡れている。じゅぼじゅぼ、じゅぶぶっずぷっ…! 繋がった部分からはこれでもかというくらい大きな淫音が響いていた。もう、ダメだ…。俺は渾身の力で、最奥を突き上げる。来る…っ!!
「うっ!」
どびゅっ、びゅびゅっびゅくくッびゅるるるっ! 大量の精液が狛枝の中目掛けて弾ける。ぎゅううと締め付けてくるアナルが俺の精液を絞り取っていく。
「ひぎぃぃぃぃいいいいいっ!!」
狛枝は普段の怜悧さを否定するかのような霰もない悲鳴を上げた。これ以上ないくらいに体を大きくビクつかせている。
「こま、え、だ…?」
「ひっく、う、あああっ、日向クンに…よびがっかに精子出されたぁ…! 臭い、きたない…おちんちんから……いっぱい…、どぴゅどぴゅってぇ…不潔で淀んだ……、ボクのおしりに…ううっうぇえええ…んぅ」
幼い子供のように狛枝は泣きじゃくった。しくしくと落涙する彼の頭を撫でてやると、うるうるとした瞳で俺を見つめ、「日向クゥン…」と悲しげに名前を呼んだ。

良く見ると狛枝のペニスは勃起したままで、イってないようだ。…俺だけ気持ち良くなるのはフェアじゃないよな。狛枝をイかせようと、突き上げを再開すると、狛枝は目くじらを立ててこちらを睨み付けた。怒りと恐怖でぶるぶると震えたままだが、その表情は快感に蕩けている。
「やめてよ! …もう終わったんでしょ!? さっさと抜いてよ、その薄汚いおちんちんを!!」
「? 抜くって、…お前まだイってないんだろ?」
「いらないっいらないから、そんなの! これ以上、予備学科に汚されたら、生きてけないよ!」
敵意の籠った狛枝の視線が向けられた。予備学科。その単語が彼の唇から零れる度に、俺の心はズキンと痛む。こんな時でもお前は俺を見てくれないんだな。ああ、寒いな…。心が冷え切って、凍え死んでしまいそうだ。
「狛枝! …頼むから、その呼び方止めてくれ。お願いだ…。俺は確かに予備学科だけど、その前に、日向 創…なんだ。……呼んでほしい、お前に。もっと俺の名前を…」
「ひ…、日向クン?」
ハッとしたように狛枝が俺を見る。迷うようにその瞳が揺れて、彼は黙り込んでしまった。落ち着かないのか、体をそわそわと動かしている。どうしても、お前に呼んでほしい。狛枝の頬に手を添えて、至近距離で見つめ合う。
「狛枝……っ」
「………ひなた、クン…」
「こまえだ…、こまえだ……!」
「ひなたクン、日向クン…!」
彼の上に圧し掛かると、狛枝は手錠に繋がれた両腕をおずおずと俺の首に回した。狛枝が、俺の名前を呼んでいる。当たり前のことなのに、それがすごく嬉しい。さっきまで彼を虐めるつもりだったのに、あまりの可愛らしさにそんな気持ちは掻き消えてしまった。腰を再び沈めると、待ち侘びていたかのように狛枝のアナルがきゅっと締まった。
「うっ…アンっ、日向クン…ボク、痺れちゃうぅ…」
「大丈夫だ、狛枝…。ちゃんと気持ち良くさせてやるからな」
「うん、うん…! ああっ、日向クン、日向クン…!」
久しぶりに見た狛枝の穏やかな笑顔に、俺の心は凪いでいく。優しい腰つきで狛枝を責め立てると、彼はうっとりとした表情でそれを受け入れた。律動に合わせて、腰を揺らしてくる。しどけなく開いた可愛らしい桜色の唇に吸いつくと、狛枝はそれに答えるように舌を絡めてきた。
「日向クンのおちんちんに、ボク…んぁああっ!」
「ハァ、…はぁはぁ、ん、こまえだ…」
ただ名前を呼ぶしかなかった。俺は彼のことを好きなんだろうか。多分、そうなんだろうけど…。今それを言って、狛枝の機嫌を損ねるのは嫌だった。向こうだって、俺のことが好きなのか分からないし。だから、心の中で叫ぶことにした。狛枝、狛枝…、好きだよ。お前のことが、好き…。大好きだ…! 細い毛質の狛枝の髪に指を絡めて、頭を抱える。ぐちゅぐちゅっじゅぶっにゅる…じゅぼじゅぼ…。引っ切り無しに聞こえてくる結合部の音に頭が麻痺してくる。
「ああんっ、ふあああッ! 日向クン、日向クン…!! ひんっひぃぃいいっあふっアンっ!」
狛枝はこれ以上ないくらいに喘ぎ、乱れまくっていた。口からはダラダラと涎が滴り、赤い舌もだらしがなく垂れている。
「はっ、日向クン! あぅっ…ボク、もう出ちゃうッ! すごい! すごいのぉ!! 日向クンのおっきくて、ボクのからだ…、感じてるよぉ…! ひぁっアンっ、せーし、おちんちんからいっぱい出るぅ…!!」
「狛枝…、…俺も、もうすぐ、イクから……!」
「ひゃあああっ、ああんっあんッああああんッきもちぃよぉ! おしりっきもちいいいいッ! ひぁたクンのおちんちんに犯されて、ボクイっちゃうぅ! ああああっイっちゃう、イくイくイくイくぅ…!! んあああああああッ!!!」
びゅびゅうううっ、びゅるるっどぷっどくどくどく、ぴゅく…! 狛枝が絶叫した瞬間、腹の間に挟まっていた狛枝のペニスから、勢いよく白濁が飛んだ。それと同じくして、狛枝のアナルがぎゅううと強い力で締め上げる。俺は思わず目を瞑った。そして俺のペニスからは2度目の精液がびゅるびゅる…と狛枝の体内に注がれる。
「はぁっ、はっ…ん…はああッ、今の…」
狛枝が出した精液は胸元まで届き、密着していた俺の体も汚した。それはもうすごい量だった。
「…ふっ、は…、狛枝…、大丈夫か?」
上気した赤い頬を優しく撫でると、狛枝は灰色の瞳を瞬かせてこちらを見た。その視線に敵意や怒りはもう感じない。あるのは欲情と、ほんの少しの慈しみだけだ。彼はその綺麗な双眸からぽろりと透明な雫を流す。
「日向クン…」
「……狛枝」
狛枝は俺の名前を呼ぶと、ぎゅっとしがみ付いてくる。俺は何も言えずに、ただ彼の体を抱き返すだけだった。

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